
これだとメアリーの自転車をひいたのが誰だか文法的には分からない気がします。
「昨日トムは、車をバックしていてメアリーの自転車をひいた」とかでしょうか。

またやっちゃってましたね・・・。
確かに誰がひいたのか曖昧な文になってますね。
「昨日トムが車をバックさせたときにメアリーの自転車をひいた」はどうでしょう。

それでもやはり誰がひいたか分からない感じがします。もちろん言わんとしていることは分かるのですが、文として不自然な気がします。
「が」と「は」の議論とかお手上げなのでフィーリングでお話ししますが、「~が…とき」と言われると、ぼくはその後に主語が変わるのを予期してしまうのです。
http://tatoeba.org/eng/sentences/show/5100
http://tatoeba.org/eng/sentences/show/167854
「は」の働きは後にまでずっと続いていきます。今たまたま読んでいる田山花袋の『蒲団』から引用してみますね。
「その間二度芳子は故郷を省した。短篇小説を五種、長篇小説を一種、その他美文、新体詩を数十篇作った。某女塾では英語は優等の出来で、時雄の選択で、ツルゲネーフの全集を丸善から買った。初めは、暑中休暇に帰省、二度目は、神経衰弱で、時々癪のような痙攣を起すので、暫し故山の静かな処に帰って休養する方が好いという医師の勧めに従ったのである。」
この一段落全部をいわば「芳子は」が支配しているといえるでしょう。
「が」にはそういう機能はないような気がします。

>「~が…とき」と言われると、ぼくはその後に主語が変わるのを予期してしまうのです。
今までそういう風に考えたことありませんでしたが、確かに主語が変わることは多いですし、「は」を用いた方が「~とき」以降の主語も明白ですね。
・私が家を出ようとした時、忘れものに気付いた。(誰が?私が?)
・私は家を出ようとした時、忘れものに気付いた。
「トムが」だと、こんな文も(推測)可能になって、自転車をひいたのはトムじゃなくなってしまいますものね。
・昨日トムが車をバックさせたときに、わき道から飛び出してきたバイクがメアリーの自転車をひいた。
やはり「は」の方がいいですね。勉強になりました。m(__)m

余談ですが、上の花袋の一節とか、英訳すると she のオンパレードになるはずで、でもこういうところでいちいち「彼女は」なんて言わないわけですよね。かといって、「短篇小説を五種〔……〕作った」という文をいきなり単独で見せられて英訳しろと言われても困ってしまいます。ぼくが he や she で始まる例文をあまり訳さないことにしているのはこういう理由からです。余談でした☺
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この例文は #1027668
追加:bunbuku, 2012年12月8日
編集:bunbuku, 2013年5月31日
編集:bunbuku, 2013年5月31日